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大リーグで主流の投球フォーム、日本人投手との違い

 大リーグで100マイル(時速161キロ)近くの球を投げるピッチャーはどういう投球フォームをしているのでしょうか。何か共通のフォーム、投球動作というのはあるのでしょうか。

まず、従来のオーソドックスな投球フォームから見てみましょう。
 ノーヒット・ノーランを7度達成し、大リーグの三振記録5,714を持っているノーラン・ライアン(現レンジャーズ社長)の投球フォームです。松坂大輔投手が手本にした投手です。球は100マイルを記録しましたが、コントロールは良くなく、大リーグ通算の9イニングあたりの四球数B/9は4.7です。9イニングあたりの三振数K/9は9.5です。

 三振王ノーラン・ライアン
nolan ryan.gif



  現在大リーグで主流の投球フォーム

 今年2012年のオールスター・ゲームでは大リーグの最速記録105マイル(時速169キロ)を持つアロルディス・チャップマンと去年のサイヤング賞受賞者のジャスティン・バーランダーが101マイルを記録しました。また、ナリーグのクローザーのクレイグ・キンブレルが100マイルを記録しました。アメリカン・リーグのクローザーのフェルナンド・ロドニーが99マイルを記録しました。

 シンシナティ・レッズのアロルディス・チャップマン
chapman.gif

 デトロイト・タイガースのジャスティン・バーランダー、イチローを三振にとる
verlander.gif

 アトランタ・ブレーブスのクレイグ・キンブレル
kimbrel.gif

 タンパベイ・レイズのフェルナンド・ロドニー
rodney.gif
 この4人に共通なのは、右投手で考えると、前足(左足)を前に踏み出し膝を伸ばしたまま、左脚を軸にして、体を素早く回転させ、投球動作の最後には1塁側に体が傾く一連の動作です。
 背中を後ろに反らせながら左足を前に踏み出し、左足が地面に着くと、体を一気に回転させ、右手でフォロースルーを行い、体は一塁側を向きます。
  右腕はあまり体に近づけないで、スリークォーターからサイドスローに近い腕の角度にしています。回転軸から距離があるほど速度が速くなるからです。
 左投手の場合には右足を軸にして、最後は3塁側に体が傾きます。

 他の大リーガーの多くも程度の差はありますが、同じように体の回転を主体にして球を投げています。この投げ方の長所を自分なりに推測すると、
 ①球速が出る。
 身長が高くなくても、体の回転速度を上げることで、球速が出る。先にあげたペドロ・マルチネス、クレイグ・キンブレル、フェルナンド・ロドニーの身長はみんな180センチ程度と高くありません。

 ②制球が良い。
 一定の姿勢(くの字姿勢)で体を回転させるので体が前のめりにならず、球の高低が安定する。前足一本で体を回転させるのでマウンドの傾斜の影響を受けにくいことも制球にはプラス。逆にマウンドの傾斜を利用して体の回転を加速でき、球速が出やすくもなる。

 ③体を一塁側まで回転させ、球のフォロースルーを長く取れるので、ボールのリリースポイントも前に来て、球の回転が良くかかり、球が良く変化する。
以上が考えられます。

 今まであまり気にしていませんでしたので、いつからそうなのかわかりませんが、この投げ方が今や大リーグの主流のようです。誰がこの投げ方を始めたのかは良く知りませんが、1960年代にサンディー・コーファックスとともに活躍した、サイヤング賞も受賞した右の剛球投手ボブ・ギブソンは極端に投球後一塁側に体が傾いた投げ方をしているのを知りました。もしかしたら、この人が元祖でしょうか。

 1960年代に活躍したボブ・ギブソン
gibson.gif

 その後の有名な投手では史上最強右腕と言われたペドロ・マルチネスがこの投げ方をしていました。彼はサイドスローに近い投げ方をしていました。身長は180センチ足らずなのに、全盛期には100マイル近い球を投げていました。ペドロ・マルチネスの投げ方を多くの投手が参考にしたのでしょうか。

 史上最強右腕ペドロ・マルチネス(ヤンキース戦で17三振)
pedro martinez17k.gif
 
 では、現役の日本人大リーガーはどうでしょうか。

 制球の良い上原投手が一番近い投げ方をしています。極端に一塁側に傾きはしませんが、左足を軸にして素早く回転してコンパクトなフォームで投げています。球速はあまりない(89マイル、時速143キロ程度)のですが球の回転が非常に高く(フォーシームで2500rpm程度)、打者の多くが空振りをしてしまいます。

 上原投手
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 同じく制球の良い黒田投手も近い投げ方をしています。調子の良い時ほどその傾向が強いです。6月30日シカゴ・ホワイトソックス戦で11三振を奪った試合がそうでした。

 黒田投手ホワイトソックス戦で奪11三振
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 ダルビッシュ投手は4月が一番調子が良く、ヤンキース戦では11三振を奪い圧倒的な投球をしました。しかし、5月になってからは調子が徐々に下がり、シーズン後半では防御率も4点台半ばになり非常に苦労しています。
 11三振を奪った4月24日ヤンキース戦と、6回2/3イニングで6失点した8月6日レッドソックス戦の投球を比較してみましょう。
 ヤンキース戦での投球では膝が少し曲がって、少し前かがみではありますが、回転を使った投球で躍動感があります。
 一方、レッドソックス戦では膝が伸びて背筋も伸びて悪くないフォームですが、左足を軸にした体の回転がなく、ヤンキース戦の時に比べて躍動感がありません。
 2つの投球フォームの良いところが合わさると、完璧な投球フォーム、投球動作だと思います。恐らく、球速もあがり、球の動きも良くなるでしょう。

 ダルビッシュ、ヤンキース戦で奪11三振
darvishyankees.gif

 ダルビッシュ、レッドソックス戦で2塁打7本を打たれた試合
darvish2.gif

 ダルビッシュ15勝目、2012シーズンは最終的にこのフォームになりました(球速93マイル)
darvish15.gif 
darvish15slow3.gif

 上原投手は巨人時代は左足を着地したときに左膝を曲げていましたが、大リーグに来てからは伸ばすようになりました(1999入団1年目)
uehara knee1999.jpg

 黒田投手も広島カープ時代は左膝を曲げていましたが、今は左膝を伸ばすようになりました。
kuroda1999 knee2.jpg

 ダルビッシュ投手もヤンキース戦の頃に比べて膝の曲がりが少なくなってきましたが、まだ曲がりが大きいので膝を伸ばしたときに脚が後ろに動いて体の回転が滑らかではありません。いずれはもっと膝が伸びて来るでしょう。そうすれば球速はもっと増すはずで、100マイル近くになると思います。

 最後に7月30日ブルージェイズ戦で13三振を奪って2勝目をあげた岩隈投手の投球です。左足を軸にした回転による投球ではありませんが、13個目の三振は少しそれに近い投球でした。

 13三振を奪った岩隈投手の13個目の三振
iwakuma13.gif

 日本人投手も大リーグの主流の投球をした方が良い結果が出るようです。これから大リーグを目指す日本人投手は、早くからこの投球フォームを習得した方が良さそうです。

大リーグで主流の投球フォームと日本のプロ野球投手の投球フォームの違い

 両者の違いは球速を稼ぐ方法の違いから生れます。

 大リーグでは腰の回転を速くすることで球速を稼ぐ。

 日本のプロ野球は上半身を前に速く倒すことで球速を稼ぐ。
 山口高志投手、村田兆治投手(マサカリ投法)、ヤクルトの由規投手が代表的な投手です。しかし、この3人のように上半身を大きく倒すと頭が大きく下へ動くので制球が悪くなる欠点があります。

 具体的なフォームの違い

大リーグ
 ①前脚の膝をあまり曲げずに着地し直ぐ真っ直ぐに伸ばす
  膝が曲がっていると腰の回転が素早く出来ない。また、くの字姿勢のまま体が素早く1塁方向まで(右投手の場合)回転できない。重心は高めになる。

 ②クローズドスタンス(セットポジションで前足を上げたとき背中を十分に打者の方に向ける)

 ③体の重心の位置が前足よりも1塁側にくる(右投手の場合)

日本
 ①オーソドックスなフォームの投手が多く、前脚の膝をノーラン・ライアンのように深く曲げている。
  これは、上体を前に倒すことで右肩を前に出し球速を稼ぐためです。
  ダルビッシュ投手も左膝が曲がっていて重心は低めです。

 ②スクエアスタンス(セットポジションで前足を上げたとき左肩と右肩を結んだ線がホームプレートに向く)

 ③体の重心の位置が前足を通過するか、ノーラン・ライアンのように前足よりも3塁側にくる(右投手の場合)

 楽天、田中マー君のフォーム、2011年8月27日ソフトバンクス戦で奪18三振
tanaka20110827softbanks18sanshinyamasaki.gif

 日本人最速をマークしたヤクルトの由規投手
yoshinori161.jpg
 日本プロ野球史上最速(160キロは超えていたらしい)の山口高志投手のようなフォームをしています
yoshinori161.gif
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 山口高志投手の投球フォーム(左足の膝が曲がっていない点に注目)
yamaguchi maeasi .jpg
山口高志投手の投球フォーム(動画)はここをクリック

 由規投手と山口高志投手の共通点
①前脚の膝は曲げないで伸ばす
②上体を思い切り速く大きく前に倒す
②は①を行なうと、下半身に急ブレーキがかかり、上体だけが前に飛んでゆくので自然とそうなってきます
膝を曲げると腰がどうしても前に移動してしまいます。膝を思い切り曲げて重心を落とすと、下半身のブレーキはかかりやすくはなりますが、膝を伸ばした方が良い結果が出ます。また膝を曲げすぎると腰の回転がしづらくなる欠点があります。だから、アメリカの主流は膝を伸ばすのだと思います。

 日米のフォームの比較から導かれる点
 速い球を投げるのに必要なポイント
①前脚を伸ばす
 膝を少し曲げて着地して素早く伸ばす
②前足を着いた時の重心の位置を投げる手の側にずらさない
 そうすると、右投手では下半身が前に流れ、体が3塁側に流れ、球速が上がらない。
 重心の位置は最低でも、前足の上を通過するようにする。
 アメリカの主流は(右投手の場合)重心をさらに1塁側にずらし、最後は上体が1塁側に向きます。

 
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コメント

ペン太

ウォルター・ジョンソンの投球フォームについてどう思いますか?
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屋根裏のオールドギター

 趣味はギターの弾き語り(下手です!)。
 好きな英語の歌の歌詞を理解したくて英語の勉強をまた始めましたが、メジャーリーグの日本人選手の活躍を、MLBのニュースで見るのが楽しみの一つになりました。英語だけでなく、スペイン語のサイトもみるようになりました。大リーグのサイトは英語とスペイン語の学習に役立ちます。

プロフィール

屋根裏のオールドギター

Author:屋根裏のオールドギター
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